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大阪府吹田市の不妊治療専門クリニックです.。

治療成績topics


令和3年不妊統計
★★ 2021/1〜2021/12 当院の不妊治療成績 ★★

★★当院の不妊治療成績 フローチャート★★令和3年フローチャート


令和3年不妊統計
★★ 2021/1〜2021/12 当院の不妊治療成績 ★★
令和3年推移グラフ
T.不妊治療をこの1年間174名に行い90名(症例別妊娠率51.7%)が妊娠に至りました。 (図1)
 2021年(令和3年)1月から12月までの1年間に妊娠を希望して当院に来院された方は287名。 
治療が1周期、2周期のみで以後の受診歴がなく経過のわからない方、それぞれ44名、
28名と血液検査や精液検査のみの6計88名
を除いた199名を解析対象としました。

199名から当院での無治療の男性因子13名無精子症や100万/ml未満の高度乏精子症9名、
500万/ml未満の乏精子症3名、性機能障害1名
)、FSHが25以上の早期卵巣不全4名、
両側卵管閉鎖6名、卵管水腫1名、子宮奇形1名
の計25名を除いた174名のうち、
妊娠に至った方は90名症例別妊娠率51.7%)でした。


U.開院以来19年10ヶ月でのべ1,810名が妊娠に至っています。(図1)
 平成14年3月に開院以来、令和3年の90名を加えて、1910ヶ月でのべ1,810名が妊娠に至っています。

V.治療法別の妊娠は、妊娠に至った90名中、自然周期タイミング療法で39名(妊娠者の
治療法別妊娠率43.3%)、排卵誘発剤投与で51名(56.7%)でした。
 なお、排卵誘発剤51名の内訳はクロミフェン(商品名クロミッド)やシクロフェニール(商品名セキソビッド)による
経口投与23名、HMGやFSH等による卵巣刺激注射28名でした。

W.
例別の妊娠は自然周期タイミング療法79名中39名(49.4%)、排卵誘発剤投与188名中51名(27.1%)。 
排卵誘発剤別では経口投与102名中25名(22.5%)、卵巣刺激注射は86名中28名(32.6%)でした。

表1

治療法別  症例 周期  妊娠 妊娠率 流産 流産率 多胎  多胎率
自然周期  79 127 39 49.4 7 17.9 0 0
経口排卵誘発  102 297 23 22.5 2 8.7 0 0
HMG or FSH  86 309 28 32.6 9 32.1 3 10.7
 小計  174 733 90 51.7 18 20.0 3 3.3
 AIH   症例  妊娠   妊娠率 流産  流産率 多胎  多胎率
自然周期 症例別 0  0  0 0 0
周期別 0  0 0 0 0
経口剤 症例別 6  1 16.7 0 0 0
周期別 11  5 9.1
注射剤 症例別 49 14 28.6 6 40.0 0 0
周期別 156 14 9.0
総計  症例別 54  15 27.8 6 40.0 0 0
周期別  167  15 9.0
       ※同年内において複数の治療を受けた方がおられるので、
個々の治療法別の症例数の合計が、小計を超えることがあります
@自然周期タイミング療法だけで79名中39名(症例別妊娠率49.4%)が妊娠。(表1)
基礎体温表や月経周期からのタイミング指導や超音波検査による卵胞径、子宮内膜厚の測定、子宮頚管粘液性状の確認、尿のLH検査等によるタイミング療法のみで79名127周期で39名(症例別妊娠率49.4%、周期別妊娠30.7%)が妊娠に至りました。

A
排卵誘発剤等の薬剤経口投与で102名中23名(症例別妊娠率22.5%)が妊娠。(表1)
 排卵障害や黄体機能不全の方、自然周期タイミング療法のみでは妊娠に至らなかった方々に対し、経口の排卵誘発剤であるクロミフェンやシクロフェニール、その他高プロラクチン血症に対しカベルゴリン(商品名カバサール)、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に対しインスリン抵抗性改善薬であるメトフォルミン(商品名グリコラン)等を投与し、102名297周期中23名(症別妊娠率22.5%、周期別妊娠率7.7%)が妊娠しました。

B
卵巣刺激注射で86名中28名(症例別妊娠率32.6%)が妊娠。(表1)
 排卵誘発剤等経口投与でも排卵に至らなかったり、妊娠に至らなかった方々にHMGやFSHなどの卵巣刺激注射が86名309周期に行なわれ28名(症例別妊娠率32.6%、周期別妊娠率9.1%)が妊娠に至りました。
X.一般不妊治療で妊娠に至らない方や、男性因子のある方、フーナーテスト(性交後試験)不良の方に夫婦間人工授精AIH(artificial insemination with husband’s semen:IUI(intrauterine insemination子宮内精子注入法)またはFSP(fallopian tube sperm perfusion 精子卵管内注入))を54名、167周期に行い15名(症例別妊娠率は27.8%、周期別妊娠率9.0%)が妊娠。(表1)
原因不明不妊の場合、AIHの周期ごと妊娠率は自然周期3.8%、クロミッド周期8.3%、卵巣刺激注射周期17.1%とのデータがありますので、当院ではAIHに対して、原則クロミッドやセキソビッドもしくは卵巣刺激注射を併用していますが、本年は、自然周期AIHが3名3周期で1名、排卵誘発剤経口投与AIHが6名11周期で1名(症例別妊娠率16.7%、周期別妊娠率9.1%)、卵巣刺激注射AIHが49名156周期で14名(症例別妊娠率28.6%、周期別妊娠率9.0%)が妊娠に至りました。

まとめると、AIH またはFSPを54名、167周期に行い15名(症例別妊娠率は27.8%、周期別妊娠率9.0%)が妊娠。(表1)
なお、男性性機能障害3名でセルフシリンジ法を併用し、内2名がクロミフェン-セルフシリンジ法により妊娠に至っています。
Y.多胎妊娠は3名(90名中3名3.3%)で、3名とも双胎で流産に至らず順調でした。
 なお、2名とも卵巣刺激注射による妊娠で、本年は経口排卵誘発剤による多胎妊娠はありませんでした。
 また、2名ともD-D twin (2絨毛膜性双胎)でした。
 卵巣刺激注射による妊娠中多胎妊娠は28名中2名(症例別多胎率7.1%)
 AIHによる妊娠者15名では多胎妊娠はありませんでした。
 
Z.流産は90名中18名(流産率20.0%)(表1)
 妊娠された90名のうち18名(流産率20.0%)が流産に終わりましたが、異所性妊娠(子宮外妊娠)は0でした。
 治療法別では、自然周期タイミング療法では39名中7名(流産率17.9%)、排卵誘発剤等経口投与で23名中2名(流産率8.7%)、卵巣刺激注射で28名中9名(流産率32.1%)が流産に終わりました。
 またAIH妊娠15名中6名(流産率40.0%)が流産に終わりましたが、経口排卵誘発剤は1名中0名、卵巣刺激注射によるもので14名中6名(42.9%)が流産となりました。
 令和3年に流産に終わった方々18名のその後は18名のうち2名が治療を再開せず、1名が東京に転居しましたので、残り15名で、年内に2名が妊娠し、その後令和4年5月までに更に3名が妊娠しています。