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平成27年不妊統計 考察
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★★
2015/1〜2015/12 当院の不妊治療成績に関する考察
★★
日本医師会雑誌 第145巻・第1号 Women’s Health(2016年)より引用
●
年齢と不妊の相関性
不妊症と流産の頻度は現在どちらも約15%であり、上図のように女性の加齢とともに上昇することが判っています。男性よりも女性の加齢の影響が大きいのは、精子は生涯作られ続けるのに対し、卵子は胎児期の最大数700万個から思春期には20~30万個にまで減少し、その後も50歳前後の閉経まで減り続け、新たに作られないことが関係しています。排卵までの期間が長いと染色体不分離が起こりやすくなり、流産に至るとされています。
そこで、当院での平成27年の不妊統計を年齢の面から検討しました。
なお、年齢は平成27年1月1日時点での満何歳何か月としました。
症例数
妊娠
妊娠率
流産
流産率
30歳未満
31
21
67.7%
0
0
30〜34歳
71
43
60.6%
9
20.9%
35〜39歳
51
24
47.1%
6
25.0%
40歳〜
9
5
55.6%
2
40.4%
計
93
17
18.3%
体外受精
30〜34歳
1
1
1
35〜39歳
4
1
1
総計
95
19
20.0%
統計に供した167名の平均年齢は33歳8か月でした。
なお、受診者262名全員では平均年齢は34歳2か月であり、閉経および卵巣予備能が著しく低下している5名の平均年齢は40歳0か月、体外受精5名の平均年齢は36歳7か月でした。
当院では妊娠率は34歳までは変わりませんが、35〜39歳では低下しています。
40歳以降でも妊娠率は55.6%と良好な結果ですが、9名中7名が経産婦、いわゆる2人目不妊であり、妊娠した5名は全て経産婦でした。
流産率は諸家の報告のように加齢とともに増加し、40歳以上では40%にも達しましたが、29歳まででは流産が1例も無く、その差は顕著でした。
以上の結果から、妊娠を希望するご夫婦は妊娠を先送りすることなく、妊娠に対する取り組みを早くからスタートすることが重要です。
なお、当院が開院した平成14年は受診者の平均年齢が30歳8か月であり、5年前の平成22年には34歳4か月にも達していましたが、加齢と不妊の関係の啓蒙が広まりつつあり、平成27年には平均年齢は33歳8か月と低下し、20歳代の受診者も増加しつつあるのを実感しています。
吉本婦人科クリニック
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