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●不妊治療をこの1年間220名に行い101名(症例別妊娠率45.9%)が妊娠に至りました。 (図1)
平成26年1月から平成26年12月までの1年間に妊娠を希望して当院に来院された方は301名。 診療が1周期のみの59名(内訳は治療が1周期のみの42名や初診カウンセリングのみの5名、血液検査や精液検査のみの12名)を含む治療周期が3周期未満で経過の判らない方72名を除いた229名を解析対象としました。
229名から男性因子3名(無精子症2名、運動率が5%未満の精子無力症1名、)、早期卵巣不全(早発閉経)5名、両側卵管閉鎖1名の計9名を除いた220名のうち、妊娠に至った方は101名(症例別妊娠率45.9%)でした。
生殖補助医療である体外受精・胚移植を行った6名を除くと、一般不妊治療では214名中101名(症例別妊娠率47.2%)が妊娠に至りました。
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●平成14年3月に開院以来、平成26年12月までの13年10ヶ月で、のべ1,154名が妊娠に至っています。(図1)
平成14年3月に開院以来、平成26年12月までの13年10ヶ月で、妊娠した方は、平成14年度50名、15年度57名、16年度79名、17年度101名、18年度80名、平成19年度70名の計437名に、平成20年の118名と21年の92名、22年の106名、23年の106名、24年の92名、25年の102名、26年の101名を加えて、のべ1,154名となりました。
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◆治療法別の妊娠は、妊娠に至った101名中、タイミング療法で46名(45.5%)、排卵誘発剤等投与で55名(54.5%)、体外受精胚移植は0名でした。
排卵誘発剤別では経口投与が37名、卵巣刺激注射が18名でした。(図2)
◆治療法別症例別の妊娠率はタイミング療法114名中46名(40.4%)、排卵誘発剤投与151名中55名(36.4%)で、内訳は経口投与125名中37名(29.6%)、卵巣刺激注射は52名中18名(34.6%)でした。
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表1
治療法 |
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症例 |
妊娠 |
妊娠率 |
流産 |
流産率 |
多胎 |
タイミング |
101 |
46 |
45.5 |
5 |
10.9 |
1 |
排卵誘発剤(経口) |
125 |
37 |
29.6 |
8 |
21.6 |
0 |
hMG or FSH |
52 |
18 |
34.6 |
3 |
16.7 |
2 |
小計 |
214 |
101 |
47.2 |
16 |
15.8 |
3 |
体外受精 |
新鮮胚 |
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3 |
0 |
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融解胚
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4 |
0 |
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小計 |
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6 |
0 |
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全計 |
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220 |
101 |
45.9 |
16 |
15.8 |
3 |
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※同年内において複数の治療を受けた方がおられるので、
個々の治療法別の症例数の合計が、小計を超えることがあります。 |
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●タイミング゙療法だけで114名中46名(症例別妊娠率40.4%)が妊娠。(表1)
超音波検査による卵胞径、子宮内膜厚の測定、子宮頚管粘液性状の確認、尿のLH検査等によるタイミング療法や指導のみで114名中46名(症例別妊娠率40.4%)が妊娠に至りました。
●排卵誘発剤等経口投与で125名中37名(症例別妊娠率29.6%)が妊娠。(表1)
排卵障害や黄体機能不全の方、タイミング療法のみでは妊娠に至らなかった方々に対し、経口の排卵誘発剤であるクロミフェン(商品名クロミッド)やシクロフェニール(同セキソビット)、高プロラクチン血症に対しカベルゴリン(同カバサール)、また多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に対しインスリン抵抗性改善薬であるメトフォルミン(同グリコラン)等が併用投与され、125名416周期中37名(症例別妊娠率29.6%、周期別妊娠率8.9%)が妊娠しました。
●卵巣刺激注射で52名中18名(症例別妊娠率34.6%)が妊娠。(表1)
排卵誘発剤等経口投与でも排卵に至らなかったり、妊娠に至らなかった方々にHMGやFSHなどの卵巣刺激注射が52名194周期に行なわれ18名(症例別妊娠率34.6%、周期別妊娠率9.3%)が妊娠に至りました。
●体外受精胚移植は3名に新鮮胚移植を3周期行いましたが、妊娠には至りませんでした。
また、4名に凍結融解胚盤胞移植を7周期行いましたが妊娠には至りませんでした。
治療年齢の高齢化に伴い、良質の卵が育たず新鮮胚移植に止まり胚盤胞まで達さない例や、良好胚を移植しても着床に障害があるなど、妊娠に繋がる様々な要素が複合的に起因しているものと考えられます。
X.多胎妊娠は3名。(表1)
多胎妊娠は3名(101名中3名2.9%)で3名とも双胎でした。自然周期が1名(46名中1名2.2%)、経口排卵誘発剤が0名、卵巣刺激注射が2名(18名中2名11.1%、194周期中2周期1.0%)でした。
Y.夫婦間人工授精(IUI)を49名127周期に行い16名(症例別妊娠率32.7%、周期別妊娠率12.6%)が妊娠。(表1)
タイミング゙療法や排卵誘発療法に併せてIUI(intrauterine insemination with husband’s semen
夫婦間人工授精)を49名127周期に行い、16名(症例別妊娠率32.7%、周期別妊娠率は12.6%)が妊娠に至りました。
自然周期IUIは3名に3周期行い1名が妊娠(症例別妊娠率33.3%、周期別妊娠率33.3%)に至りましたが、3名とも男性の性機能障害の適応でした。排卵誘発剤等経口投与IUIは26名55周期に行い、5名(症例別妊娠率19.2%、周期別妊娠率9.1%)が妊娠に至り、双胎妊娠はありませんでした。
卵巣刺激注射IUIは34名77周期に行い10名(症例別妊娠率29.4%、周期別妊娠率13.0%)が妊娠に至り1名が双胎妊娠でした。
当院ではIUIの回数は6回までとしていますが、IUI開始後の妊娠周期は1周期目に42症例で8症例(19.0%)、2周期目に31症例で4症例(12.9%)、3周期目に21症例で2症例(9.5%)、4周期以上で14症例中2症例(14.3%)でした。
Z.流産は101名中16名(流産率15.8%)(表1)
妊娠された101名のうち16名(流産率15.8%)が流産に終わりましたが、子宮外妊娠はありませんでした。
治療法別では、タイミング療法では46名中5名(流産率10.9%)、排卵誘発剤等経口投与で37名中8名(流産率21.6%)、卵巣刺激注射で18名中3名(流産率16.7%)が流産に終わりました。
また、IUI妊娠16名中2名(流産率12.5%)が流産に終わりましたが、自然周期1名と経口排卵誘発剤5名では流産はなく、卵巣刺激注射でのみ10名中2名(20.0%)が流産となりました。
[.卵管疎通性検査後、半年以内に83名中30名(妊娠率36.1%)が妊娠。
通気テストや子宮卵管造影検査(HSG)などの卵管疎通性検査を25年1月から26年12月までに115名に行いましたが、両側卵管閉鎖1名、治療中に閉経に至った2名、男性因子1名、通気テストのみを施行した1名の計5名を除いた110名で、検査後半年以内に30名(27.3%)が妊娠に至りましたが、疎通性検査終了後6か月以上経過していない27名を除くと83名中30名(36.1%)が半年以内に妊娠しましたのでので、一般不妊治療における卵管疎通性検査の重要性が再認識されました。
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